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『LINE QC SPECIALIST』導入事例|製造工程の品質改善を自動化し、不良撲滅と原因の見える化を実現

『LINE QC SPECIALIST』導入事例|製造工程の品質改善を自動化し、不良撲滅と原因の見える化を実現

13 Sep 2023
ナノ精密が手掛ける、製造工程内で不具合品(NG)を造らないための品質管理システム『LINE QC SPECIALIST』(以下、LQS)。今回は、同システムを導入し、品質改善と記録帳票のペーパーレス化を実現したTOHOKU MANUFACTURING(Thailand)CO.,LTD(以下、TMT)の事例を紹介していく。

手書きの記録帳票は不具合の原因究明が難しい

製造工程内で不具合品を作らないように管理、品質維持することは簡単ではない。
アナログな手書き帳票での管理は、不良の原因究明に手間と時間を要する。これらに頭を悩ませている現場も多いのではないだろうか。
タイで自動車部品の加工製造を行う、TMTも同様の悩みを抱える現場の1つであった。

<TMTが抱えていた課題>
・紙の製造記録帳票を削減したい
・人に依存した手書きによる記録は信頼性にばらつきがある
現在、同社には精密部品加工を行うNC旋盤が50台ある。そのうちの約60%程度の工程品質管理をLQS4台が担っている。具体的には、部品加工の抜取り検査におけるデータ取りや、現場での傾向管理と品質分析ツールとしてLQSを活用している。


▲工場でのLQSを用いた傾向管理の様子

品質データの測定・監視を自動化し、PDCAを高速化
品質改善と工程内不良の撲滅を実現する

LQSは、全数自動選別をせずに、100万個に1個(ゼロPPM)の不具合品の流出を止める=「工程内不良の撲滅」をコンセプトに開発された。量産メーカーの側面も併せ持つ、ナノ精密だからこその視点で誕生したソリューションである。

【LQC導入のメリット】
■ 製造現場の監視作業を自動化
目視だけでは網羅できない、「測定器の異常」「中⼼規格・量産規格」「量産後の測定箇所、測定頻度」の3つの項目を自動で監視する

■ デジタル測定器で自動入力、リアルタイムに品質データを判定
リアルタイムにNG判定を行うことで不具合が発生した場合に即時対応できる

■ 測定データのビッグデータ分析
測定データを自動でデータベース化することで、不具合品の原因(作業者・機械・工具など)究明が素早く容易にできる⇒原因の見える化

特にTMTのような切削加工の場合、工具の摩耗などによる品質変化が起きることで不良率もあがりやすいため、日々の加工品質の傾向管理(モニタリング)が重要であるという。 不具合にいち早く気づき、改善し、PDCAを速く回すことが不具合をつくりづらくする製造工程を構築できるポイントである。LQSはそれを実現するために最適なソリューションと言える。
 

製造におけるペーパーレス化と生産効率改善に効果あり
単品部品の量産加工工場に最適


「長年、紙の帳簿による製造記録の管理に課題を感じていました。LQSを導入してから、ペーパーレス化のみならず、測定データを即時解析・活用できるようになったので生産効率がかなり改善されています。精度の厳しい製品(公差レンジ10-70um)を製造しておりますが、導入後は、傾向測定しながら結果がチャートで確認できるため、寸法の傾向やばらつきがわかりやすくなりました
現在LQSを4台導入していますが、今年中に追加で3台を導入し、当社の全てのNC旋盤をLQSで工程管理していく計画です」(TMT渡辺工場長)


製造記録を定点観察し、工程能力を徐々に改善していくという点では、単品部品の量産加工現場などの連続加工の工程で特に効果が期待できるという。
品質改善はもとより、常に最適な生産が行える生産性の高い工場に導く画期的なソリューションである。


【取材協力】






 
TOHOKU MANUFACTURING(Thailand)CO.,LTD
2011年に設立された、冷間鍛造・切削加工などによる精密自動車部品製造を行うメーカー。ピントン工業団地1に工場を持つ。鍛造から切削まで通気一貫で加工できる点が強み。

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